この数週間の天候の読みは難しかった。天気図としては風雨を伴った低気圧は遥か北関東沖に去り南関東は緩やかな高気圧に包まれる。多くの野外活動は好機到来だろう。しかし西南三浦は危険な場合が多い。北東の風は地形の中で圧縮されて突風に変わる。ひどい場合はパドルを上げることも引き返すことも困難になる。そんな12月10日、西三浦を漕いだ。風は5mほどで小さなうねりが残った。この前日にこの海域でシーカヤックが転覆して男性が死亡した。風は10m。もし自分だったら悩んだ挙句に出艇断念を選んだだろう。しかし、この遊びは自分の技量のなかで雨風に翻弄されることの楽しみともいえる。時として楽しいと怖いは背中あわせなのだ。行くことの判断を下して自分を尽くした者を非難することはできない。