僕の好きな写真家のユージン・スミスは引き伸ばし作業の間に暗い中でレコードをかけて歌ったり踊ったり。だから狭くて暗い暗室(暗いのはしかたがないが)のイメージとは違う暗室だったと聞いた。
手元にあるユージン・スミスのポートレートは暗室を出たところで戦傷を負った小指でパイプたばこを詰めている写真だ。
僕もパイプは好きだけど小指は健在だし明るい部屋のモニターの前でコーヒーをすすりながら仕事している。現像液の匂いもない。今の部屋は吹き抜けで表の景色も良い。
環境がいいと歌う必要も踊る必然性もない。
もしかしたらココロをより安住なことを求める悪魔に売り渡してしまったのでなければ良いが。